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set theory

最近こんなことしかやってないな

本日のmathoverflow案件,をいこうとしたが,解答が来る前に質問者が自己解決してしまったのかどうかとにかくよくは知らないが,質問自体が引っ込められていてリンクを貼ることもできない.

とんでもなくフラストレーションが貯まる行為でありやめていただきたい. なお,発散のためにその質問と解答をここに書くことにします.

Question

可分な完備距離空間がperfect空間ならば,その空間の濃度が になることを示して下さい. また,可分な局所コンパクトHausdorff空間がperfectな場合でもその濃度は くらいになりそうだとも思うし,少なくともカントール空間からの単射が作れそうだと思うのですがどうなのでしょうか?

うん,先に言っておくと,こんなことはundergraduate textに書いてあるような事だからね. ってことでoff topic行きはおそらく免れ得ないだろうから,質問者が質問を引っ込めた事自体は極めて賢明な判断だと思う.
いや,でも答えさせて. set-theoristもしくはgeneral topologistならこんなの一瞬で答えられるだろうが,おそらくそうでない分野の人は一瞬では分からないかもしれないからだ. うん,そうだな,数分はかかって欲しい. そんでコレ読んでやっぱそうだよねってなって(願わくば).

perfect空間とは

perfect空間とは孤立点を持たない空間のことだ. ここで,位相空間の点 が孤立点であるとは,シングルトン がopenになることをいう. perfectって言うのは歴史的に重要な意味をもつ性質だ. 歴史ってのは,カントールがその連続体仮説を思いつくに至る歴史のこと. Fourie級数の研究の中で,カントールは次の定理を発見した.

Cantor-Bendixsonの定理

  1. を可分な空間, をその非可算閉集合とする.このとき, は空でないperfect閉部分集合をもつ.

  2. 完備距離空間の任意の空でないperfect閉部分集合はカントール空間を埋め込むことが出来る.

あわせて,任意の可分完備距離空間閉集合は可算濃度をもつか,あるいは連続濃度をもつ.

この定理の1のほうの証明結構好きなんですが,本筋からずれるのでやめます.

2の証明

と思って議論しても一般性を失わないのでそうします. 勝手に から2点 , をとる. は正規なので , のそれぞれの閉近傍 , で交わりのないものがとれる. 完備距離空間の仮定からいって, , それぞれ,何らかの半径 をもつ境界付きの球と仮定してもよいだろう. は空でないperfect閉部分集合であるので,今度は とみなせば同様に の内部に取れて,それぞれは半径未満. 同様の操作を繰り返すと,空でない閉集合からなる次のような完全2分木 と実数の列 が得られる:

  • ,

  • ,

  • は半径 ,

  • .

よって,完備距離空間における区間縮小の要領で,各二進小数 に対して となる点 が存在する. 写像 で定めればこれはCantor空間 から への埋め込みになっている.QED

Answer(一言で言うと正解(Exactlly!)ですし,なんでその予想ができていて証明が書けないのかがむしろ私的には不思議である)

Cantor空間は連続濃度をもつので可分完備距離空間は少なくとも連続濃度を持つことがわかりましたが,その空間の濃度が連続濃度で押さえられるかはまだわかっていません.

しかし,一般に次の定理が知られています.

を可算weightをもつ 空間とすると, の濃度は連続濃度以下になる.

理由は簡単です. まず,weightが可算なので可算濃度の開基 がとれます. 任意の に対して,それを族 によって識別できるからです. 識別できるっていうのは,ならとなることです. これは であることから出てきます.

このことは各点 の部分集合の数だけの可能性しかないことを示しています. よって, の濃度は連続濃度で押さえられるというわけです.

では可分な局所コンパクトHausdorff空間ではどうでしょうか. さっきの証明の閉集合から成る木 をつくるところで,局所コンパクト性を使えば良さそうです. すなわち,局所コンパクトHausdorff空間ではコンパクト集合が基本近傍系となるので, をとる操作自体は継続できるわけです. そして, は有限交差性(finite-intersection-property)をもつコンパクト集合の族の共通部分なので空ではありません. 選択公理なり何なりつかってそこから一点ずつ選んでくればCantor空間からの単射は作れます. QED